「テントに付属しているペグだとすぐ曲がる」「地面が硬くてペグが刺さらない」「種類が多すぎてどれを買えばいいかわからない」という悩みを抱えているキャンパーは少なくありません。
ペグはテントやタープを地面に固定するための重要なギアですが、地面の硬さや質に合わないペグを使うと、抜けやすかったり曲がったりしてしまうため、適切な選択が欠かせません。
この記事では、ペグの種類を「素材」「形状」の2軸で整理し、キャンプ場の地面タイプごとの最適なペグの選び方を解説していきます。正しいペグ選びで、安全で快適なキャンプを楽しみましょう。

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ペグの素材による分類と特徴
ペグはさまざまな素材で作られており、それぞれに長所と短所があります。主な素材の特徴を見ていきましょう。
スチール(鍛造ペグ)
最も頑丈で信頼性の高い素材がスチール製の鍛造ペグです。硬い地面や石混じりの地面でもガンガン打ち込めるため、「おすすめのペグ」と呼ばれることもあります。
- メリット:圧倒的な強度。硬い地面でも曲がりにくい。耐久性が非常に高く、長く使える。
- デメリット:重い(1本あたり100〜180g程度)。価格が高め(1本300〜800円程度)。錆びる可能性がある。
代表的な製品としてスノーピークの「ソリッドステーク」や村の鍛冶屋の「エリッゼステーク」が有名です。初心者が最初の1セットとして選ぶなら、迷わず鍛造ペグをおすすめします。
アルミ
テントに付属していることが多い素材です。軽量でリーズナブルな反面、強度に難があります。
- メリット:軽い(1本あたり10〜30g程度)。価格が安い。持ち運びが楽。
- デメリット:硬い地面では曲がりやすい。一度曲がると元に戻しにくい。石混じりの地面には不向き。
芝生や柔らかい土のキャンプ場限定で使うならコスパは良いですが、万能ペグとしては心許ないです。テント付属のアルミペグだけでキャンプに行くのは避けた方が無難です。
チタン
軽さと強度を両立した高性能素材です。鍛造ペグに匹敵する強度を持ちながら、重量はアルミに近い軽さを実現しています。
- メリット:軽くて強い。錆びない。
- デメリット:価格が非常に高い(1本800〜1,500円程度)。入手先が限られる。
登山やバックパックキャンプなど、軽量化を最重視するシーンで真価を発揮します。オートキャンプがメインの方には、コスパの面で鍛造ペグの方がおすすめです。
プラスチック・樹脂
砂浜や雪上など、柔らかい地面で高い性能を発揮する素材です。断面が大きいため、柔らかい地面でもしっかりとした保持力を発揮します。
- メリット:砂地・雪上で抜けにくい。軽量。価格が手頃。
- デメリット:硬い地面には使えない。強い力で打つと割れることがある。
素材比較表
| 素材 | 強度 | 重量 | 価格帯(1本) | 適した地面 |
|---|---|---|---|---|
| スチール(鍛造) | ◎ | 重い | 300〜800円 | ほぼ全地面対応 |
| アルミ | △ | 軽い | 50〜200円 | 芝生・柔らかい土 |
| チタン | ◎ | 軽い | 800〜1,500円 | ほぼ全地面対応 |
| プラスチック | △ | 軽い | 100〜300円 | 砂地・雪上 |

ペグの形状による分類と特徴
素材と同じくらい重要なのが、ペグの断面形状です。形状によって地面への刺さりやすさや保持力が大きく変わります。
丸型(ピンペグ)
断面が丸い棒状のペグです。テントに付属していることが多い、最もシンプルな形状です。
地面への刺さりやすさは良いですが、丸い断面のため回転しやすく、柔らかい地面では保持力が弱いのがデメリットです。硬い地面用のスチール製ピンペグは「ネイルペグ」とも呼ばれ、コンクリートに近い硬い地面でも使えます。
V型ペグ
断面がV字になっているペグです。丸型よりも地面との接地面積が大きいため、保持力に優れています。
- メリット:地面との接触面が大きく保持力が高い。比較的軽量。
- デメリット:溝に土が詰まりやすく、掃除がやや手間。硬い地面では曲がりやすいモデルもある。
アルミ製のV型ペグはコスパに優れており、芝生サイトなら十分な性能を発揮します。
Y型ペグ
断面がY字になっているペグで、V型よりもさらに保持力が高いのが特徴です。3方向に力が分散されるため、引き抜きに対する抵抗が大きくなります。
- メリット:保持力が非常に高い。幅広い地面に対応。軽量なモデルも多い。
- デメリット:溝に土が詰まりやすい。石混じりの地面では先端が欠けることがある。
ジュラルミン(超超ジュラルミン)製のY型ペグは、軽さと強度のバランスに優れた人気の選択肢です。
X型ペグ
断面がX字になっているペグで、Y型よりもさらに接地面積が大きいため、柔らかい地面での保持力に優れています。砂浜や腐葉土の上でも比較的しっかり固定できます。
U型ペグ(サンドペグ)
断面がU字型のペグです。接地面積が最も大きいため、砂浜のような非常に柔らかい地面で威力を発揮します。ビーチキャンプやデイキャンプで使われることが多いです。
キャンプ場の地面タイプ別ペグの選び方
キャンプ場の地面は場所によって大きく異なります。TOKYO CRAFTSのペグ解説ページでも地面別の選び方が詳しく紹介されています。ここでは代表的な地面タイプごとに最適なペグを紹介します。
芝生サイト
最も一般的なキャンプ場の地面です。適度な柔らかさがあるため、ほとんどのペグが使えます。
おすすめ:V型ペグ、Y型ペグ、鍛造ペグ(どれでもOK)
アルミ製のV型やY型ペグで十分対応できるため、コストを抑えたい方はこのタイプから揃えるのがおすすめです。
硬い土・砂利混じりの地面
河原や山間部のキャンプ場に多い地面タイプです。石が混じっていることが多く、軽いペグでは曲がったり刺さらなかったりします。
おすすめ:鍛造ペグ一択
硬い地面では鍛造ペグの頑丈さが絶対的な安心感を与えてくれます。長さは20cm以上のものを選ぶと、しっかりと固定できます。
砂浜・砂地
海辺のキャンプ場や河原の砂地です。通常のペグでは保持力が不足し、風が吹くとテントごと飛ばされる危険があります。
おすすめ:サンドペグ(U型)、プラスチックペグ、長めのペグ(30cm以上)
接地面積が大きいペグを選ぶか、通常のペグを深く打ち込む工夫が必要です。ペグに買い物袋やビニール袋を結びつけて砂に埋める「袋アンカー」という方法も有効です。
雪上
冬キャンプや雪中キャンプの場合、通常のペグでは雪が柔らかすぎて固定できません。
おすすめ:スノーペグ、プラスチックペグ、Y型ペグ(横向きに埋設)
雪上では、ペグを横向きにして雪に埋める「デッドマン方式」が有効です。雪を上から踏み固めることで、しっかりとした保持力を得られます。
地面別ペグ対応表
| 地面タイプ | 鍛造 | アルミV/Y型 | プラスチック | サンドペグ |
|---|---|---|---|---|
| 芝生 | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
| 硬い土 | ◎ | △ | × | × |
| 砂利混じり | ◎ | × | × | × |
| 砂浜 | △ | △ | ◎ | ◎ |
| 雪上 | △ | ○ | ◎ | ◎ |

ペグの長さの選び方
ペグの長さも用途に合わせて選ぶ必要があります。短すぎると保持力が不足し、長すぎると打ち込みに時間がかかります。
15〜20cm:テント本体用
テント本体のフレームを固定するペグには、15〜20cmの長さが適しています。テントの重量が比較的軽いため、この長さで十分な保持力が得られます。軽くてコンパクトなので、本数が多くても負担になりにくいです。
20〜30cm:一般的な用途(万能サイズ)
初心者が最初に揃えるなら、20〜30cmのペグが最も汎用性が高いです。テントのガイライン、タープのメインロープなど、幅広い用途に対応できます。特に28cm前後は「万能サイズ」として多くのキャンパーに支持されています。
30〜40cm:タープや強風対策用
タープのメインポール付近のように、強い力がかかる箇所には30cm以上のペグがおすすめです。風が強い日のテント固定にも長めのペグが安心感を与えてくれます。
40cm以上:砂地・雪上・大型テント用
砂浜や雪上など保持力を確保しにくい地面では、40cm以上の長いペグが必要になることがあります。大型のツールームテントやシェルターの固定にも適しています。
ペグハンマーの選び方
ペグと同様に重要なのがペグハンマーです。テント付属のハンマーや石で代用している方もいますが、専用のペグハンマーがあると設営効率が大幅にアップします。
ヘッドの素材
- スチール:最も一般的。鍛造ペグとの相性が良く、しっかりとした打撃力があります。
- 銅・真鍮:ペグへのダメージを抑えつつ、効率よく打ち込めます。打撃時の衝撃が手に伝わりにくいのも特徴です。
- ゴム:プラスチックペグなど、割れやすい素材のペグに適しています。ただし打撃力は弱めです。
ペグ抜き機能
多くのペグハンマーには、ペグを引き抜くためのフック(ペグ抜き)が付いています。この機能があるかないかで、撤収時の労力がまったく違うため、ペグ抜き付きのハンマーを選びましょう。鍛造ペグを素手で抜くのはかなりの力が要ります。
重さのバランス
軽すぎると何度も叩く必要があり、重すぎると腕が疲れます。300g〜600g程度のものが使いやすい重量帯です。VASTLANDのペグコラムでもハンマー選びのポイントが詳しく解説されています。
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ペグの正しい打ち方と抜き方
ペグの性能を最大限に引き出すためには、正しい打ち方と抜き方を知っておくことが大切です。
打ち方のコツ
- 角度は60〜75度:地面に対して垂直ではなく、やや斜めに打ち込みます。テントから遠い方向に傾けて打つと、引っ張る力に対して抵抗力が増します。
- 最後まで打ち込む:ペグの頭が地面から2〜3cm出る程度まで打ち込みましょう。浅すぎると風で抜ける危険があります。
- 石に当たったら無理しない:石にぶつかった場合は、無理に打ち込まず場所をずらしましょう。無理に叩くとペグが曲がったり、石が割れて危険です。
抜き方のコツ
- 左右に揺すりながら抜く:真上に引き抜こうとすると大きな力が必要です。左右に揺すって周囲の土を緩めてから引き抜くと楽です。
- ペグ抜きを使う:ハンマーのペグ抜き機能や専用のペグ抜きを使うと、てこの原理で簡単に抜けます。
- 別のペグをフックにする:ペグ抜きがない場合、別のペグを刺さっているペグの穴に通して持ち上げる方法もあります。
予算別ペグの揃え方ガイド
まずは鍛造ペグ8本から(予算3,000〜5,000円)
テント用に鍛造ペグ28cmを8本揃えれば、基本的なテント設営には対応できます。タープ用には追加で4〜6本あると安心です。
本格装備(予算8,000〜12,000円)
鍛造ペグ28cmを16本+タープ用40cmを4本+ペグハンマー1本。これだけあれば、テント+タープの設営に余裕をもって対応できます。予備を含めて20本程度あると、ペグを曲げたり紛失したりした場合にも慌てずに済みます。
よくある質問
Q. テント付属のペグは使えない?
芝生のような柔らかい地面であれば使えます。ただし、硬い地面や風が強い日には力不足になることが多いため、別途鍛造ペグを用意しておくのが安全です。付属ペグは予備として持っておく、という使い方がおすすめです。
Q. ペグは何本あれば足りる?
テントに必要な本数は製品によって異なりますが、一般的なドームテントで8〜12本、タープで6〜8本が目安です。Campifyマガジンのペグ特集でも必要本数の目安が解説されています。紛失や破損に備えて、必要数の1.5倍程度は持っていくと安心です。
Q. ペグのメンテナンスは必要?
使用後は土を落として乾燥させてから収納しましょう。スチール製のペグは錆びることがあるため、湿ったまま収納するのは厳禁です。シリコンスプレーを軽く吹いておくと錆防止になります。
まとめ
ペグ選びは「素材」と「形状」を地面のタイプに合わせて選ぶのが基本です。初心者がまず揃えるべきは、あらゆる地面に対応できる鍛造ペグ。これさえあれば、ほとんどのキャンプ場で安心してテントを設営できます。
「鍛造ペグ28cmを16〜20本」と「ペグ抜き付きハンマー1本」が、最初に揃えるべき基本装備です。そこから必要に応じて、砂地用や雪上用のペグを追加していきましょう。
地味なギアですが、ペグの質がテントの安全性と設営の快適さを大きく左右します。次のキャンプから、ペグにもこだわってみてください。

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